【読書 reading】アイム・ファイン！ i'm fine!／浅田 次郎 Jiro Asada

私が、ＪＡＬに乗るときの最大の愉しみは機内誌「ＳＫＹ　WORD」で連載中の浅田次郎のエッセイを読むことである。
本作はそのエッセイをまとめた第2巻であり、最新作は4作目が絶賛発売中である。

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浅田次郎は愉しい人である。ユーモラスである。自らのハゲ、デブ、メガネをはじめとしたネガティブネタの提供を厭わない。ＪＡＬに乗り、機内誌にエッセイを目にするまで、その人となりを知ることはなかったが、愛すべきジジイである。

著者はその作風から、ともすれば生真面目な性格を想像してしまう。それはその通りでもあり、真面目過ぎるが故の可笑しさも生み出している。加齢とともにエスカレートする彼我の理想と現実の姿にもがき苦しむが、それらをことごとくエッセイに仕上げてしまっているのが凄い。達観であり、広範な知識と見聞した記録を軽やかな筆致で魅せてくれる。

ただでさえわくわくさせてくれる機中でのひとときに、本エッセイが至福のスパイスを与えてくれる。これからもライフワークとして続くであろう、氏の珠玉のエッセイを心待ちにして、旅へのモチベーションを高めたい。