谷中ハチ助のブログ

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【読書No.59】 風立ちぬ・美しい村/堀辰雄

ジブリが映像化するにあたり、宮崎駿監督がモチーフにしたとされる原作を読んでみた。

 


難解だった。深刻な闘病と、つきっきりになる小説家。日記調の文面からは切迫感がなかなか掴めず、淡々としたタッチからは感情移入がそうたやすくできない。

 


原因を考えてみた。宮崎作品を映像として先に観てしまったことにあるにあるのではないか。鮮やかな色遣いと、迫真の音声と。短時間で記憶に残る物語に仕上げてしまった映像の、逆効果をモロに受けてしまった。

 


誰しもが、映像→文章の順序で接するのを悪いといってるわけではない。作品にもよるし、誰が映像化したのかにもよると思う。だから、映像を観た上で、小説を読むのを否定するものではない。それに、宮崎監督は、小説はそれとして、オリジナルな作品に仕上げたともいっている。

 


私の場合、本作に関しては小説との相性がよくなかった。その理由はひょっとしたら、映画を観たことにあるかもしれない、ただそれだけのことだ。逆の順序だったら違う結果だったかもしれない。それはもう叶わないことだけど。

 

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