【グルメNo.12】浜勝のトンカツ
九州生まれの地元の味が東京でも食べられる。いい時代になったものだ。帰省するまでもない。
九州でトンカツといえば浜勝を置いて他にない、それくらい有名だ。
私が知りうる限り、この店の最大の特徴は、すりこぎと太っ腹さにある。
前者は、初回来店ならばレクチャーを受けるべし。といっても、やり方は至って簡単。小さなすり鉢に白ごまを落とし、ソースを適量垂らし、これまた小さなすりこぎで、白ごまをすりつぶしていく。好みのごまのサイズ、味に仕上げて、これをトンカツにかけて、またはトンカツをソースのすり鉢につけて食べるというもの。お好みでトウガラシや塩で調整してもいいし、ソースも辛めの「秘伝」と甘めの「とんかつソース」の2種類があるので、バリエーションはさじ加減によって無限、さまざまな味を楽しめる。
もう一つはそのボリュームだ。
見た目はごく普通のトンカツ定食に違いない。浜勝はご飯、味噌汁、お漬物、キャベツがなんどでもおかわり自由なのだ。キャベツおかわり可能は聞いたことがあるが、カツ以外全てのおかわりができるなんて、食いしん坊バンザイここに極まれりである。しかも、ご飯は白米と麦飯、味噌汁は赤味噌と白味噌のどちらかを選べ、おかわりのときに食していないもう一方を選択することもできるのだ。
ランチはロースカツとチキンカツの定食が平日780円ときている。コスパ最強ではなかろうか。東京で、このサービス、この値段。賞賛しかない。味はスペシャルではないが、決してハズレではない。九州ルーツのトンカツをあなたもいかがだろうか。
◯浜勝