【読書No.55】 日本ペンクラブ名スピーチ集/浅田次郎ほか
世界各国にペンクラブなる団体がある。作家、編集者、詩人…言論の自由、表現の自由、国際的連帯を標榜している。
日本のペンクラブ代表は吉岡忍。本書は2007年に前代表の浅田次郎が、米原万里、椎名誠、井上ひさし、立松和平、辻井喬、阿刀田高、高樹のぶ子ら錚々たる会員らうち、16人の講演を収めている。
皆表現の分野で第一線で活躍の名を成した方ばかりである。こうした方は当然にして、話もうまいのである。内容もよい。例えば、米原万里なら誤訳の、椎名誠なら北極の冒険と、読者が期待した内容を織り込んでいることだ。
話し上手になれるかはともかくとして、読めば、へーと思うエピソードがふんだんに聴くことができる。気軽にページをめくるにはもってこいの一冊だ。