【グルメNo.3】 「じゃじゃおいけん」の盛岡じゃじゃ麺/三軒茶屋
ジャージャー麺とじゃじゃ麺は全く異なる食べ物だ。前者は中華、後者は盛岡のソウルフードである。
今を遡ること、約二十年前、私は盛岡で社会人生活をスタートさせた。残念ながら仕事に馴染めず、一年で彼の地を去ることになった。そんななかであっても、毎日のように食し、愉しみにしていたのが、このじゃじゃ麺だ。
茹でたての柔らかい平打ち麺に、ゴマを効かせた優しい風味の味噌を、箸でぐちゃぐちゃにかき混ぜ、お好みで、ラー油や酢で調整する。味加減はその人次第だ。
それだけではない。麺を食い終わった後にスープの愉しみがある。食した後の丼に生卵を割り、茹で汁をかけてもらう。こちらもかき混ぜて、塩胡椒で味を整えていただく。これをチータンタンという。
麺もスープも優しく温かい。そう、盛岡人の人柄が現れているみたいに。夏よりも冬の今が旬のお食事だろう。
盛岡の本家「白龍(パイロン)」を彷彿とさせる、負けず劣らない味。それもそうだろう、店主の元モデルのお兄さんをはじめ、店員は皆盛岡出身という徹底ぶり。
三軒茶屋以外にも、大久保や浅草に出店したこともあるようだが、今はここ三軒茶屋のようだ。
末長くこの味を提供してほしい。