【谷根千の風景No.5】 旅するミシン店
暖簾にミシン。イマドキ、ミシンのお店かと思いきや、店内に入ると、ずらりと並んだブックカバー。
ほーと思い、眺める。文庫本、ハードカバー、コミック、新書版、A5版。その他にも多用途なサイズのブックカバーが揃えてある。どれもかわいらしい動物たちのイラストが淡色でクリーム地のキャンバスに描かれている。寝転がったり、片手に本、もう片方の手に買物カゴを下げたり、横一列に4匹が一本のマフラーでぬくぬくしたり。ほのぼのする構図で、静かな読書のお供にぴったりなデザインばかりだ。
裏面は反対に、幾何学模様に、お花、微生物を拡大した派手派手な装いなどで、目移りする。気分転換になる。
わたしも思わず、買い求めた。
6畳一間ばかりのスペースなので、すぐに店員さんと打ち解けた。聴くとスケッチも、縫製も自分でやってるとのこと。週末起業で会社員らしい。本人の意欲はもちろん、理解のある会社も素晴らしい。
最近では読書にぴったりなコーヒーと、他店への卸も始めたという。
会社員の意欲的な挑戦、私も見習いたい。
◯旅するミシン店
http://tabisurumishinten.com/?page_id=2
日暮里駅北口を谷中方面に歩き、夕焼けだんだん手前を左折徒歩3分ほど。朝倉彫塑館の先。
開店は週末のみ。