【パスポートを更新して】新たな10年の始まり
10年ぶりにパスポートを更新した。顔も老けたし、査証を見て、いろんなところに行ったことを思い出した。
10年前 あのとき君はまだ若かった。
10年後 こんな未来は予見できなかったよね。
アメリカ、中国、台湾、フランス、インド、香港、マカオ、エジプト。スタンプを見ただけで、思い出が蘇るようだ。
中国は北京、上海、西安。台湾、香港の中華圏を含めれば、5回飛んだことになる。近いし、安い。最大の成果は太ってしまうことだ。日本で食べるより、圧倒的にうまい本場の味。油が違うのか。うますぎて止まらない。一時期は毎年、いや年2回行ってたときもあった。病的なまでに取り憑かれていたのかもしれない。
エジプトは遺跡がでかかった。食べ物はチーズと肉とパンばかり。野菜はもちろん、米もなし。取れないから口にできない。ホテルでも出ない。当時はビザも必要だった。ここには住めない。そう思った。
インドはとにかく暑かった。灼熱のタージマハル。確かにその容貌は美しい。が、水の売場がない。観光では経験のない渇きを齎した。かと思えば、スコールで膝下まで、水に浸かった日もあった。子どもたちは底抜けに明るかった。カレーは廃屋のような店で食べても、高級ホテルで食べてもうまかった。そして、日中の喧騒と日陰の静寂。効きすぎる特急の冷房。極端なエピソードが満載。ああ、あの混沌にはなんとも曰く譬え難い魅力がある。
ヤンキースタジアムではまあくんの熱投と日本と異なるベースボールスタイルに酔いしれ、コート・ダジュールで地中海を過ぎる客船で風に吹かれ、ゆったりとしたバカンスを過ごした。
こうして振り返るとやっぱり旅っていいなとしみじみ思う。
新しい一冊に、どれだけの旅情を抱きしめられるだろう。パスポートを捲り、これから始まる未知の冒険たちに心躍らせる。さあ、旅立とう!