散った後も美しく
強い風雨の打ちつけた翌朝、
玄関ドアを開け、一歩踏み出そうとする。
三和土に広がった花たち
アッと驚き、
思わず、カメラに収めた。
コンクリートがキャンバスとなって、一枚の絵のような、光景を撮ることができた。
ひとつひとつが小さな扇子の形をしたランタナの花びらと、弱々しいげに白光りするジャスミンと、どこかしら寂しげな余韻を引きずってる。
けれど、この絵を見せてもらったことで、もう一度は見られない自然の情景に立ち去り難くなってしまった。
たまに、こういうことがあると、生きた心地がする。私はハッとさせられることはそんなにはないのだれど。少し、前を向いていこう、そんな気になった。