【読書No.83】パイロットフィッシュ/大崎善生
映画化されたアジアンタムブルーの前作、序章となる物語。
主人公の隆二は喫茶店で泣きはらす由希子に思いがけず出会い、声を掛けるところから運命が回り出す。
隆二に恩を着た由希子は、隆二の就職先を探す。2人は仲を深めるが、隆二の犯した過ちで19年もの間、離ればなれになってしまう。
人は一度巡りあった人と、二度と別れりはことはできない。なぜなら人は記憶の集合体のようなものだから。
人が記憶しているのではなくて、記憶の集合体が人、そういう捉え方は新鮮だった。
この本を読んだことで、青春時代の記憶がいっぺんに蘇った。しばらく会っていない人に会ってみたい、そう思った。