【登山】北岳⑦ 日本2位の最高峰 ニホンザル編
錯覚かと見紛った。
標高3,000mの高地にニホンザルが、戯れ、ハイマツと切り立った岩の間を駆けていく。
1匹だけではない。2匹、3匹、4匹。親子なのかきょうだいなのかわからないが、じゃれ合ってもいる。
場所は北岳肩の小屋目前の小太郎山分岐点付近。広河原から登り続けること4時間、360度の展望が開けた、白根三山の尾根道だった。
猿たちは人間を怖がるでもなく、また人間たちのように斜面から転げ落ちる恐怖に怯えるでもなく、のびのびと駆けずり回っていた。
下山して調べてみると、サルはシカとともに南アルプスでは害獣に位置づけられている。というのも、食害が拡大することで、土地の裸地化、キタダケソウやライチョウなど固有種の生態系が崩壊することを危惧されるかららしい。
生態系のことは正直わからないが、人間のせいで、駆除される対象になったことは間違いない。私も自分勝手な人間たちの一人であることに、愕然とするとともに、やはり固有種には存続してほしいと思った。