【菓子No.2】カールうすあじ
久しく、食べていない。それどころか目にしていない。この前食したのはいつのことだろう。思い出せないくらいに遡ってしまうらしい。だから、これを目にしたとき、懐かしい友に出会ったような、田舎の実家に帰ってきたような、抱きしめたくなるような念があった。
こんなことを考えるのは、全くもってバカげているかもしれない。よくよく調べてみると、一年半前までは東日本でも、例の口髭を蓄え、麦わら帽子を被ったおじさんのパッケージは、巷に溢れていたのだ。すごく遠い、昭和の時代に近い平成の時代くらいかと勘違いした自分を恥じた。
感覚的にはそれくらいあの、ポップな「の」の字形状のスナック菓子から離れていても、なんともなかったということだ。子どもの頃はたくさん食べたのに悲しくなった。
それゆえかなんとも言えないが、大阪にて見つけたカールをすかさず購入し、食べてみた。昆布や魚、だしの風味がする。昔から思っていたが、「うすあじ」というネーミングは、よくないのではないか。濃いのと薄いのがあったら、わざわざ薄い方を買う人がいるだろうか。健康第一の人はそもそもスナック菓子なんぞ手にとったりしないから、「うすあじ」ではなく、「だしあじ」で売り出すべきではなかったか。もし、「だしあじ」だったら、関東でだってもっとブレイクできたのではあるまいか。そんな気がしてならない。
私の思いをここで語ってみても、はじまらない。
未来志向でカールを救うには、むしろ「こいあじ」を出すくらいの発想の転換が必要だと思うがいかがだろう。