谷中ハチ助のブログ

登山、読書、ベイスターズ情報を谷中からお届けします

【読書No.55】 日本ペンクラブ名スピーチ集/浅田次郎ほか

世界各国にペンクラブなる団体がある。作家、編集者、詩人…言論の自由表現の自由、国際的連帯を標榜している。

 


日本のペンクラブ代表は吉岡忍。本書は2007年に前代表の浅田次郎が、米原万里椎名誠井上ひさし立松和平辻井喬阿刀田高高樹のぶ子錚々たる会員らうち、16人の講演を収めている。

 


皆表現の分野で第一線で活躍の名を成した方ばかりである。こうした方は当然にして、話もうまいのである。内容もよい。例えば、米原万里なら誤訳の、椎名誠なら北極の冒険と、読者が期待した内容を織り込んでいることだ。

 


話し上手になれるかはともかくとして、読めば、へーと思うエピソードがふんだんに聴くことができる。気軽にページをめくるにはもってこいの一冊だ。

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【グルメNo.3】 「じゃじゃおいけん」の盛岡じゃじゃ麺/三軒茶屋

ジャージャー麺じゃじゃ麺は全く異なる食べ物だ。前者は中華、後者は盛岡のソウルフードである。

 

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今を遡ること、約二十年前、私は盛岡で社会人生活をスタートさせた。残念ながら仕事に馴染めず、一年で彼の地を去ることになった。そんななかであっても、毎日のように食し、愉しみにしていたのが、このじゃじゃ麺だ。

 


茹でたての柔らかい平打ち麺に、ゴマを効かせた優しい風味の味噌を、箸でぐちゃぐちゃにかき混ぜ、お好みで、ラー油や酢で調整する。味加減はその人次第だ。

 


それだけではない。麺を食い終わった後にスープの愉しみがある。食した後の丼に生卵を割り、茹で汁をかけてもらう。こちらもかき混ぜて、塩胡椒で味を整えていただく。これをチータンタンという。

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麺もスープも優しく温かい。そう、盛岡人の人柄が現れているみたいに。夏よりも冬の今が旬のお食事だろう。

 


盛岡の本家「白龍(パイロン)」を彷彿とさせる、負けず劣らない味。それもそうだろう、店主の元モデルのお兄さんをはじめ、店員は皆盛岡出身という徹底ぶり。

 


三軒茶屋以外にも、大久保や浅草に出店したこともあるようだが、今はここ三軒茶屋のようだ。

 


末長くこの味を提供してほしい。

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【グルメNo.2】 「モーゼスさんのケバブ」のケバブライス/秋葉原

辛い!ご飯がススム

 


ケバブといえばピタパンに肉と野菜を挟んだトルネケバブが有名だが、ここはライス、すなわち丼で提供してくれる。

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「ここはね、ライスが一番美味しいんだよ。私、全部の種類食べたし」「マジで?」「ホントだ、なんか屋台のと違う」偶然居合わせた女子高生3人組のハジけた会話が背後から聞こえる。私の来店は3回目だが、それを後押ししてくれるようなやりとりに、心の中で頷きつつ、飯を食らう。余裕があれば、セットのもちもちロングポテトも試してみたくなるが、今回もライスのみで断念する。

 


昨年ニューヨークで、たくさんのキッチンカーをみた。夜遅くまで路上で出っ張ってるのはケバブ屋が多かった。彼らは総じて明るく、大概のレストランが閉店してしまった真夜中でも、大都会でビジネスパーソンの胃袋をささえていることに、誇りをいだいているようだった。ヤンキースタジアム観戦後の深夜、テイクアウトしたケバブライスは羊肉がボリューミーで、こってりしていて、彼らの心意気を感じた。物価高のニューヨークにあって、重宝される存在だった。

 


翻って、ここアキバのお店はチキン、ビーフ、ミックスと肉をチョイスできるのもうれしい。わずか四畳半程度のスペースだが、ケバブ店には珍しい、イートインスペースがありがたかった。

 


「元気〜?」「ゆっくりしていってねトルコ人らしき店員と親しげに言葉を交わす。女子高生のうち1人は常連らしい。時代は変わったものだ。

 


「(2人が不在の間に)さっき(店員)◯◯さんいたよ」「うっそー」「見たかったなー」ん?イケメン目当てだったのか。。。

 

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【グルメNo.1】 「西安麺荘 秦唐記」のヨウポー麺(ビャンビャン麺)/八丁堀

辛い!痺れる!モチモチ!

 

一昨年西安を旅した。始皇帝兵馬俑よりも、玄奘の大雁塔よりも、明の時代の城壁よりも印象に残ったものがある。それが、ビャンビャン麺だ。

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「ビャン」の漢字はなんと、58画もあり、最も画数の多い漢字のひとつとされる。そんなインパクトのある字を看板に掲げたお店、一度入らずにはいられなかった。

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厨房では料理人が幅1メートルはゆうにあろう、生麺をまるでエキスパンダーのように伸ばしては、縮め、打ちつけ、また伸ばす。それを延々と繰り返していた。そうしてできた麺の幅は軽く2センチを超え、きしめんほうとうに類している。違うのは柔らかく、コシがなく、つるつるなのどごし。それから、唐辛子やピーナッツ油、塩、黒酢花椒などが、渾然一体となった、一口でこれこそ中華だと、断じたくなる旨さがここにある。わずか5日の旅にもかかわらず、思わず私は、連日通ってしまったのだ。

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あの味をもう一度。帰国し、同じ味を求めて彷徨うこと幾度かあれど、再会には至らなかった。今回ひょんなことで思い当たりググッてみたところ、この店が9月に開店したばかりであり、それなりの評価を勝ち得ていることを知り、馳せ参じてみた。

 

結果は、まあ満足。麺の歯ごたえ、太さ、ネギ、角煮などの盛り付けは申し分ない。肝心の味も痺れが強すぎて行き過ぎの感はあるが、西安のそれと同列に論じられるべき麺であることに間違いない。

 

サイドメニューに白飯を掻き込み、辛さを中和するのはこの店の作法だろう。満腹だ。次回はトマト麺、ジャージャー麺とのミックスにも挑戦してみたい。

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【2018読書No.54】 夏の闇/開高健

初めて開高作品を手に取った。噂はかねがねだったので、ハードボイルドなのだろう、硬質なのだろうと、構えてしまったが、まったくそんなことはなかった。

 


ベトナム戦争を現地で体感した記者経験が生きている。けれども、本書ではそれを間接的にしか、触れることができない。恐らく意図してこのようなスタイルをとったのだろうが、背景を知っていなければ、なにゆえ、ベトナムで倦むような日本人男女の付かず離れずが繰り返し描写されるか、理解できなかったように思う。

 


ひしひしと迫ってくるというより、じわじわ染み込んでくるような読後感は、もはや本作が同時代に存在せず、古典たりえているからではなかろうか。アプローチの異なった開高作品を読んで考えてみたくなった。

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【2018読書No.53】お菓子とビール CAKES AND ALE /サマセット モーム Somerset Maugham

階級社会は理解し難い。それよりももっと理解し難いのが、本書のメインテーマの夫婦関係だろう。夫はいろんな商売に手を出しては失敗し、妻は町中の誰とでも関係をもってしまうような奔放さ。夫婦はある日夜逃げしてしまうが、主人公は幼い頃、分け隔てなくせっしてくれた2人に親近感をいだいている。

 


古き良き、なんでもありが許されない時代のことをサラッと書いてしまうのがモームらしさだろう。メインに据えた登場人物は他の人がどう感じようと、私は私、グニャグニャしない人となりに好感をもって読んだ。

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【マラソン】かさま陶芸の里ハーフマラソン大会を走りました!

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師走の寒風吹きすさぶ中、茨城県は笠間のハーフマラソン大会に出走しました!

 

常磐線で日暮里から1時間半、友部駅に到着。ここから、無料送迎バスで会場へ。

 

会場の笠間芸術の森公園は野球場が3、4個は入ろうかというくらい広々、食べ物屋、ラングッズなど出店が20点近くと賑わってました。

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私はあんこたっぷりの大判焼きを購入。参加賞のクルミ入り稲荷とあわせていただきました。お気に入りのアルパインサーモスでアツアツのコーヒーを淹れ、手足にカイロを付着させ、屋外でスタートまでの時間を比較的のんびりと過ごしました。風がなかったのが、幸いでした。

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更衣テントが用意してあったのは良かったのですが、隙間から結露した水滴が。やはり、体育館なりの建物の方が良さそうです。

 

10時40分にスタート!3.000人の参加ということで

スタートライン通過までは10秒くらい。スムーズな入りとなりました。

 

茨城というと平地のイメージですが、大方のよそ通りほぼほぼフラットで3キロと18キロ地点のダラダラ坂以外は登りらしいそれもなく、記録も出やすいコースでしょう。

 

給水も、6キロ、11キロ、16キロ、18キロと4箇所もあり、道幅もゆったりで、走りやすいと感じたランナーが多かったのではないでしょうか。首都圏在住の方にはオススメの大会です。

 

私はといえば、練習不足のせいか、レースが掴みにくかった。スタート地点では異様に脚が重かったし。なんとか、2時間切り、年代別順位でも真ん中より上を確保。結果として、余力を残してのゴールとなりました。ゴール後は振舞われたコーンポタージュがおいしいこと。

 

でも、二ヶ月後の青梅マラソンは距離が延びて、30キロなので、慣らしとしてはこれくらいでちょうど良かったのかもしれません。練習の積み重ねは必然ですが。

 

参加賞は笠間らしく、笠間焼の湯呑み。Tシャツばかりのタンスのこやしになるよりか、地域色があって嬉しいですね。f:id:yanakahachisuke:20181216163528j:imagef:id:yanakahachisuke:20181216163725j:image
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【ラジオNo.1】公開収録にいってきました!/TRUM TIME AND TIDE

ラジオFM J-WAVE で毎週土曜日夜9時からOnAirしている市川紗椰のTRUM TIME AND TIDEの公開収録の抽選に当選し、池尻大橋のBPMにいってきました!

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1時間前に開場ということで、1時間半前に着いたら、なんと三番着!最前列、かぶりつきでの観覧となりました。

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今回はSING LIKE TALKINGのボーカル、佐藤竹善さんが、ゲストで3曲のミニライブあり、現在、過去、未来の視点から、トークが展開されました。

 

沙耶ちゃんはモデルだけあって、顔ちっちゃ!竹善さんは若かりし日のシュッとした面影は潜めてしまったけれど、デビュー30周年を迎えた今年でも変わらぬ伸びやかな歌声で、聴衆を魅了してくれました🎵

 

デビュー当時、コカコーラのCMボーカルに抜擢された、あの歌を生で聴くことができ、懐かしく思いました(^ ^)

 

J-WAVEさんからは市川紗椰さんのクリスマスカード、長野県松本市の瓶ビールに、番組の焼印の入った煎餅などのお土産、サードウェーブショップのコーヒーとどら焼きの提供など、おもてなし満載で、大満足でした。

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【2018読書No.52】天人五衰(豊饒の海第4巻)/三島由紀夫

f:id:yanakahachisuke:20181215002537j:image三島由紀夫の遺作であり、豊饒の海の完結編である。

 


思い至ったのは、人生の虚しさだ。煩悶し、苦悩し、追い求め、老いて人生の終局に辿り着き、やっとのことで巡り会えた。が、他人にとってはなんのことはない、羽のように軽く反転してしまった。

 


この作品から推察するに、きっと三島は、自決にさしあたって、他人が自分を十全に理解しきることはないことを分かり切っていたのだ。それゆえ、悔いはなかったのではないか。

 


すべてが相対化されるなら、生きる意味や意義を考えるまでもない。自分が存在するのは、誰のためでもない、自分の独りよがりに過ぎないのだ。それを分かった上で、生きてみろ。三島がそう語りかけてくれているようだった。

【登山 climbing】 甲斐大和駅〜上日川峠〜大菩薩峠 標高1,900m〜フルコンバ〜ノーメダワ〜藤タワ〜丹波山温泉のめこい湯〜beer pub vertre


甲斐大和駅から本年最終営業日の上日川峠行きバスに乗る。もう今年は来られないと思うと残念でならない。

 


殆どの樹々が落葉している。樹間に覗く冬の富士山は一段と美しい。が、寒くてダウンは脱げない。毛糸の帽子も。でもあゆみはスムーズ。幸先よく、1時間弱で大菩薩峠に到着。

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ここは撮影と思い、取り出したる自撮り棒をスマホにセットしようと、枠に引っ掛けるやいなや、バキ!無惨にも破損してしまった。気をとりなおして、道行くハイカーに撮影をお願いする。ここでガッツポーズをリクエストされる。出来栄えを見ると笑顔溢れていて、悪くなかった。災い転じたのかもしれない⁈

 


ここからはお初の丹波山村へ向かう大菩薩ルート。その昔は街道だったらしい。一転して静かな稜線歩きだった。シンとしていた。

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20分ほど歩くと、70歳くらいと思しきお爺さんと行き違う。今日初めて山中で人に会ったという。この先3箇所崩壊があり、2箇所目は大回りしろとのこと。2時間以上後だったが、確かに大回りならぬ大またぎを要する倒木があった。親切なお爺さんだった。ありがとう!

 


藤ダワまでは緩やかな下りで、ところどころ小さな土砂崩れがあったが、快適なハイキングだった。

 


藤ダワを越えるマリコ川沿いを辿る。昨年この時期

ルートこそたがえ、撤退を余儀なくされた悪夢が蘇る。幸い今日はなんともなかった(^ ^)

 


無事予定通りのめこい湯に到着。浴室に入るやほんのりと硫黄の香りが漂う。異なった温度の湯に順々に浸かり、芯から温まる♨️

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湯上りは日に4本しかないバスで1時間かけて奥多摩駅前のbeer cafe vertreへ。変わらぬ愛すべき地ビールに乾杯🍺

 


◯踏破:15km

◯タイム:5時間50分(休憩50分含む)

【読書 reading】剃刀の刃(上・下)The Raser's Edge /サマセット モーム Somerset Maugham

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旧友の死をきっかけに人生とは何か、若き主人公は追い求め始める。大陸から、インド、アメリカへと舞台は展開する。あまりの超然ぶりに女は諦め、別の男を選ぶ。

 

神と信仰、人生における優先順位はひとそれぞれだ。登場人物各自が全く違った道を歩む。みんな違ってみんないい。個人主義がヨーロッパには古くから根付いていたようだ。もっと自由に生きたらいい。人の目などどうってことない。そう背中を押してくれた気がした。

 

【登山 climbing】勝沼ぶどう郷駅〜大滝不動尊〜棚横手山 標高1,306m〜甲州高尾山〜大善寺〜勝沼ぶどうの丘

勝沼ぶどう郷駅に降り立つ。なだらかな葡萄畑の間を縫って山へ向かう。昨日初めて買った登山用リュックに、背負われてるみたいな感覚で、慣れないながらも頼もしく思う。

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駅から一時間半ほどアスファルトの上をあるき、不動尊へ。200段の参道を登り、今日の無事を祈る。

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登山道に入ってまもなく、分岐点へ。標識もなく、傾斜林は崩壊している。3人組の若者が先行し道無き道を行くべきか逡巡している。持参した昭文社発行の山地図の案内によれば確かにここに違いない。勇気を持って斜面を攀じ登ること5分、無事登山道を発見。陽光の降り注ぐ尾根に出た。

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ここからは愉しい尾根歩きだった。ススキが揺れ、南面には富士山こそ見えないものの、最近登ったミツ峠山などが悠然と雲を棚引いていた。低山は色づき、万感の秋山を演出していた。

 


横手山頂ではチョコ羊羹とコーヒーを、甲州高尾山頂ではお湯で戻すカルボナーラパスタにトライ。リュックとともに昨日購入したばかりのモンベルのステンレスボトルが威力を発揮。アツアツの食事を堪能できた。

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下山後は駅に対面するワインの丘へ。山梨といえば譲れないホウトウでお腹を満たし、天空の湯でひとっ風呂浴びる。露天風呂は山並みを眺めながら湯に浸かることができ、見目にも癒される。

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帰りに試飲コーナーでワインを飲み過ぎで若干グタグタになりつつ中央線で帰途に着いた。

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○タイム:6時間15分(休憩1時間15分含)

○踏破:13.8km

【読書 readin】La fille de Brooklin ブルックリンの少女 /Guillaume Musso ギョーム ミュッソ

フランスでベストセラーのミステリー。

 


日本のそれにはないソフトタッチ。しかし、息もつかせぬ展開。フランス、アメリカを行き来し、ドナルド・トランプまで!時事ネタもふんだんに盛り込んでいて、ありそうかもと思わせるストーリーと、仕掛けがふんだんに提供される。

 


よくもまあ、と作者の引き出しの多さに圧倒される。だが、ぐちゃぐちゃにはならない。物語にず太い骨格が通っていて、そこを外すことはない。

 


ホームズとワトソンか、西村京太郎の十津川警部と亀さんとかを思わせる。謎解きにはよき相棒たちが繰り広げる推理と論証が、奥深さを与えるのだろう。

 


面白かった!f:id:yanakahachisuke:20181129202201j:image

【登山 climbing】西丹沢自然教室〜檜洞丸 標高1,601m〜犬越路〜用木沢出合〜西丹沢自然教室〜ぶなの湯〜渋沢駅 いろは食堂


登山を開始して初めて同僚のお誘いを拝受し、同行二人。彼の運転で西丹沢へ。未知なる遭遇に期待を高鳴らせる。

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麓の葉葉の色付きにこれだけでも来た甲斐があっだと思う。

 


登山道に入り急登が続く。離れないように彼の背中を追う。トレッキングポールをお借りして体験。はじめてなので、ぎこちない。靴紐が解けるのをみて、もうひと結びのアドバイスをもらう。解けなくなった。さすがである。

 


お気に入りの木道を歩き、檜洞丸山頂へ。麓から2時間半。標準タイムよりかなり早め。一人だとこうはいかない。

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山頂から犬越路への出だしの眺めは圧巻だった。雲のほとんどない澄んだ空に、雄大な富士、低山は紅葉の旬を極め、額に入れておきたいほど素晴らしかった。

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ハシゴを何度か下り、尾根伝いをほのあたたかい陽射しと初冬の風に晒されながら歩を重ねる。心地良い緊張感と、自然に包まれる幸福を噛みしめる。

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これまた早めのタイムで犬越路へ。避難小屋の土台で昼食を摂る。ここで彼持参のバーナーが活躍。いつもより熟れたカップラーメンとTWAの香り豊かな紅茶にお腹だけでなく、心も満たされる。

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犬越路からはひたすら下る。ちょっとした見過ごしがあったのか、ゴロツキ岩を歩く羽目に。なんとか這いずり上がって正規ルートに復帰。今年は台風の当たり年だったせいか、今日に限らず崩れた道や倒木で断路していたことが多々あった。

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無事西丹沢自然教室に戻り、その足でぶなの湯へ。丹沢湖ラソン開催で温泉は激こみだったが、足を伸ばして入る余裕はあった。

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帰路も渋滞に捕まってしまう。新松田駅で降ろしていただき、隣の渋沢駅で降りてハイカー御用達のお店、いろは食堂へ。登山にしては遅い時間の来店に、女将さんが迷ったのか心配してくれた。ありがたい。ハイカー折り紙付きとあって、刺身は新鮮。さすがの美味だった。

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今日はいつもより疲れが少なかった気がする。たまにはグループで登るもんだな。仲間よありがとう!

 

○タイム:6時間半(休憩45分含む)

○踏破:12km

【読書 reading】ペインレス(上・下)/天童荒太

精神的な痛みを生まれつき持たない女医が、後天的に肉体的な痛みを感じなくなった男を診察する。そこからふたりの関係は変化し続ける。

 


人間という主体があって、痛みを感じること、これを避けることが当然の前提となっている世界を、むしろ痛みが主体で、人はそれに付随しているに過ぎない存在として描かれている。

 


なるほど、そんな捉え方もあるものだと不思議な感覚に捕らわれながら読み進める。自らが体験したことがないものだから、どうにもこうにもからだにすっと沁み入るようにはいかない。

 


エンディングに至るまで、地につかないような、溝をへだてるような、隔靴掻痒の感が抜け切れなかった。

 


近い将来、肉体的な痛みを感じることのない社会が実現できるかもしれない。でもそれがいいとは思えなくなってしまった。痛みには理由がある。そういうことなのだろう。

 

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