登山
全体的には地味だが、じわじわ足にくる、ボクシングでいうとボディブローというやつだろうか。激しい岩登りなどはなかったが(ひやっとするロープつたいの沢渡が1つあったが)2日で10時間もあるけば、そりゃこたえるし、なかなか味わい深い道程だった。 特…
台風、雨、また雨。何度この山行を先送りしたことだろう。春、夏、そして秋、5度、6度?山小屋にも同じだけキャンセルの連絡をした。最終的に決断したのは昨日。嫌味も言われず快く受け入れてくれた甲武信小屋の方に感謝したい。 甲武信ヶ岳の標高は2,475m。…
プッチンプリンのような山塊に、秋の紅葉が点描画みたいに映える。榛名湖は静かな水面を湛え、まもなくやってくる冬に備えていた。紅葉八分頃、榛名富士はそんなお茶目で美しい容態を見せていた。 榛名山という名の山は無い。榛名湖を囲む一帯の山域を指すら…
晴天に恵まれた二日目は昨日の風雨が嘘のような好天。朝7時前に薬師岳小屋を出発して、3つの山を目指した。 急登を上り詰めると、わずか30分もせずにまず薬師岳山頂に到着。 水分を補給しただけで、次の観音岳を目指す。観音岳を望むここからの眺望が今回…
自家用車を持たない私は、電車やバスを利用するしかない。 前2回の南アルプス山行と同様甲府発のバスに乗り、今回は夜叉神峠登山口で降りた。ここですでに10時半を回っていた。小屋からは16時までに入ってくれと予め釘を差されていたが、地図によれば、標準…
居心地最高! 布団はふわふわで、敷パッド、アクリル毛布、掛け布団、そば殻枕が新品で用意されていた。寝床は、共用ではなかったし、ふたりごとにカーテンで敷きられていた。共有スペースでゆっくりほんをよむこともできたし、荷物スペースや更衣室までかく…
台風一過の金曜日、ラグビーW杯、プロ野球クライマックスシリーズとスポーツ真っ盛りの秋、観てばかりじゃ体もなまるということで今季3度目の南アルプスへ。 甲府からのバスは平日増発なしのため、立ち乗りありの満席。座席を確保すべく、早めに到着しておい…
毎日アルペン号。登山を趣味に持つ方なら、その名を一度は聞いたことがあるだろう。登山ツアーバスの一つで、山小屋宿泊までセットになったツアーを、毎日新聞旅行が売り出していて、廉価であり、お世話になっている方も多いのではないか。 私は先週、今日出…
南アルプスの次は、日本中のトレッカーの憧れ、北アルプスへ。 この夏、仙丈ヶ岳、北岳と2回の南アルプスを経験。次はいよいよ本丸とも言うべき北アルプス。 とはいっても初心者なので、まずは安全安心で、もう行きたくないなと思わぬよう、山小屋は人気、実…
仙丈ヶ岳に登って1ヶ月弱経つが書き留めておきたいことを思い出した。 人との出会い。私は良くないと言われる単独行をやっている。人と合わせるのも面倒だし、何より普段の諸々の煩わしさから逃れるために山に来ているようなので、安全上問題があるとされて…
錯覚かと見紛った。 標高3,000mの高地にニホンザルが、戯れ、ハイマツと切り立った岩の間を駆けていく。 1匹だけではない。2匹、3匹、4匹。親子なのかきょうだいなのかわからないが、じゃれ合ってもいる。 場所は北岳肩の小屋目前の小太郎山分岐点付近。広…
真夏の山に、突如現れる一面の積雪。高さ100m、幅10m、厚さ1mはあろう雪のキャンバスが谷間に広がる。 北岳からの広河原への下山途中、難所八本歯のコルを突破した先の、左俣ルートにそれは存在していた。 初めて見た雪渓は、石灰質の白と勘違いした。近くに…
もう一度泊まりたいかと問われれば、肯定的な回答はできない。 今回の縦走で宿泊したのが北岳肩の小屋。 頂上までは上りで50分、麓の広河原からは5時間というというすばらしいロケーションで、登るにしろ下るにしろ、拠点とすべき位置にあるのだ。 私も、そ…
登山の辛いところは下山にあるのではなかろうか。 どんなに登頂の喜びがあったとしても、下りには無事に帰るという命題しかなく、登りのときのような高揚感はない。 今回はとりわけ、恐怖が強かったように思う。 北岳山頂から北岳山荘がこんな感じ この下り…
辛かった。しんどかった。でも行ってよかった。この苦しみを予め知らされていたら、アタックしなかったかもしれない。未知なる領域に踏み入れるのは、私にとっての冒険であり、心震える出来事だった。 富士山に次ぐ標高に立ち、眼下の雲に覆われた峰々を臨む…
日本で2番目に高い山に登る。2番目ってどこよ。1番はいうまでもなく富士山だが、2番となると、登山をやっている人にはすぐにわかる、そんなところだろう。 私のなかでは、北岳に挑戦するタイミングはもっと後だと思っていた。麓の広河原からの宿泊すべき肩の…
初めての標高3,000m超え。山の景色が、圧巻だった。 雲を眼下に、遠くまで山々が連なり、私が私でなくなるなるような、足が地につかず、中空を散歩しているようなこれまでにない感覚をいだいたのだ。 仙丈ヶ岳といえば、山原が氷河で削られた谷であるカール…
山に登れば冬はともかくとして、色とりどりの花たちを愛でることができる。 標高が高くなればなるほど、花々は厳しい環境に耐えようとして、大きく育つことができず、小さく頼り投げな表情を見せるらしい。 毎週のように低山に登る私も、花たちに癒やされ、…
山で宿泊する魅力の一つはなんといっても山小屋にあると思う。 私の場合、テントを持っていないので、泊まるのは山小屋しかない。 馬の背ヒュッテは、登山口の起点北沢峠から歩いて2時間半の距離にあり、初心者にもアクセスしやすい。 外観、内装とも、古き…
甲府から二本バスを乗り継いで南アルプスの玄関口である北沢峠へ。 空が手が届くように近い。標高2,030m。こんなに高い出発点も初めてだ。 既に正午、出発前の腹拵えに、乗り換えの広河原の山荘へ。 ここは裏メニューまであるという充実ぶりだが、残念ながら…
初めてのアルプス、3,000m台に胸は高鳴る。とはいえ、初心者向けとも言える道程らしい。 なぜ仙丈ヶ岳を選んだかといえば、南アルプスの女王と呼ばれるくらい景観が美しいと評判だからだ。 台風が心配ではあるが、まだまだ遠い。この時期は雷も心配だ。 おっ…
下山後の一杯がたまらない。一風呂浴びればなおのことである。 奥多摩や奥秩父、大菩薩山系の山々から都心に帰るには、電車であれば中央線に乗らなくてはならない。 途中下車しても料金は変わらないし、土地勘があるので、吉祥寺か荻窪で途中下車したくなる…
3週間ぶりの山で体が重かった。でも来てよかった。一足木陰に入れば、夏の日差しは遮られ、涼しい風が背を抜けた。 残念だったのは低山だったこと。日向の景色の良い場所で腰を下ろそうものなら、すかさず虻や蜂をはじめ、見たこともない昆虫類たちがゾロ集…
驚いたことがある。上野原駅から鶴峠への富士急バスでのことだ。 鶴峠は私が向かった大菩薩系と都民の森方面への分岐点にあたる。即ち、このバスはいわゆる登山客だらけの登山バスであった。 何を驚いたかというと、運転手さんのアナウンスだ。 「正面に見え…
夏山は羽虫が多い。特に低山。 蚊除けのスプレーや日焼け止め兼用の防虫クリームをぬったくるが、これは主として、蚊から逃れるため。 山中の虫たちすべてから逃れる術はなく、最も不快なのは食事においてである。手で追っぱらおうにも限度があり、毎度のこ…
登山をしていると、普段はない、道中声をかけていただくこともある。昨日もそうだった。 行きの中央線の車中、齢70は固いであろう登山客と思しきお父さんからどこ行くの?と訪ねられた。ルートを説明するのも、あまり詳しくない人だと面倒だったので、大雑把…
少々の雨では中止はありえない。ましてや、梅雨の真っ只中で、午後から雨は止む予報であれば。 頑張った結果がこれ もやで視界はおよそ20メートルといったところ。レインウェアを着ると雨止むし、脱ぐと降るしどっちやねん。 標高1,990m、リュックと背中の間…
前回の続き。 エスケープルートを通って、都民の森へ。 三頭の滝周辺は漬物石よりも大きなそれがゴロゴロ。雨足はどんどん強くなり、打ち付けるような激しさ。レインウェアなしでは到底活動不可な具合。スリップしないよう、かなり用心して進んだ。 都民の森…
塩山駅からバスで1時間。鶏冠山登山口へ。2週ぶりの山、澄み渡る空。夏山にきた。 幸先悪かった。分岐路で誤って巡視路に入り、道無き道を行く。なんとか分岐に戻るのに15分のロス。 ここは左ではなく、右だった さらに、鶏冠神社方面に苦労して岩群を登るも…
恐れていた事態が現実のものに。 関東地方は今日で梅雨入り。しかし、この時期、しっかりと皆を納得させられるほどの雨量でなければ中止できない。したがって、試合は強行された。レインウェアに、ザックカバー。登山道具を活用し、万全の体制で観戦した。 …