谷中ハチ助のブログ

登山、読書、ベイスターズ情報を谷中からお届けします

2018-01-01から1年間の記事一覧

【登山 climbing】正丸駅〜伊豆ヶ岳 標高851m〜子の権現〜吾野駅〜祭りの湯

始発から山手線と京浜東北線が止まっており、予定より2時間遅れで、西武秩父線正丸駅へ。朝早くから。登山隊が200人くらいいてびっくり。田舎のえきなのに、シーズンピークは侮れない。 舗装道を越え、登山道に入る。モノの本に中級レベルとあったが、沢沿い…

【読書 Reading】カモメのジョナサンJonathan Livingston Seagull/リチャード バック Richard Bach

可能性を信じ、想像力を逞しくさせてくれる。たかがカモメ、されどカモメ。シンプルだから、わかりやすい。高く、遠く、飛ぶか飛ばないか。そのために己を信じるか、信じないか。これが人間を題材にしたら、同調性がどうのこうのとか、易きに流れるとか、批…

【登山 climbing】土合駅〜ロープウェイ〜天神平〜トマの耳(谷川岳)標高1,977m〜水上駅〜一葉亭〜oct one

日本一の階段472段を駆け上がって無人駅を出る。ちょうど目の前をバスが行ってしまったので、仕方なく歩く。東京は曇ってたがこちらは晴れて心地よい。30分ほどで、ロープウェイ土合駅に到着。 紅葉真っ盛りの報道あるや、長蛇の列。20分待ちだった。空中散…

【登山climbing】秦野駅〜ヤビツ峠〜塔ノ岳 標高1.491m〜大倉

三連休の真ん中。予想はしてたがすごすぎる。秦野駅始発バスに軽く200人は並んでる。臨時バスの一本目に乗り、運悪く座れず、ワインデングロードに揺られる。50分後ヤビツ峠に着いたときにはひざにきてた。幸先わろし。 峠か30分ほどで登山道へ。いきなり胸…

【読書】A GOOD YEAR プロヴァンスの贈りもの/Peter Mayle ピーター メイル

ロンドンのシティでバリバリの金融マンだった男が、クビになり途方に暮れる。そこに何十年も会っていなかった叔父が亡くなり、唯一の相続人である手紙が届く。 叔父はプロヴァンスに広大な葡萄畑と醸造所、所謂châteauをもっていた。 憧れだけでとびこんだ主…

【読書】La Peste ペスト/Albert Camus アルバートカミュ

辛く長い疫病との戦い。作品の9割が不条理で埋め尽くされている。 終盤、病の終息が見通されるが、そんな中でも人は次々と亡くなっていく。 亡くなっていく人たちに選別はない。富めるものも、貧しいものも、男も女も、青年も、老人も、子どもも、生を与奪さ…

【登山】JR奥多摩駅〜東日原〜鷹ノ巣山 標高1,728m〜六ツ石山〜水根〜もえぎの湯〜beer cafe vertre

奥多摩から約20分。満員の路線バスが乗客を吐き出した。一面の緑に山へ来たことを実感する。 巨大な稲村岩を正面に、いざ登山口へ。敵は静かにして我らを待っている。 日原川沿いをぐじゃぐじゃしながらも進む。昨日までの雨のせいか、足元はよろしくない。…

【読書】 日はまた昇る The Sun Also Rises/アーネスト ヘミングウェイ Ernest Hemingway

この作品は、一般的には、男女の愛と友情を描いたとされているが、私が最も印象をいだいたのはモチーフとして取り上げられている闘牛と釣りだ。ヘミングウェイの執着がいかほど深いかをこの作品を読んで知ることになる。 前半は主人公がヒロインと巡り会った…

【登山】武蔵五日市〜上養沢〜大岳山標高1,266m〜御岳山〜もえぎの湯〜beer cafe vertre

この夏二番目に良かった登山。上養沢からの大岳山ルートは沢伝いの登りで、夏日にもかかわらず、側からの豊富な水量が涼しい風となって体を冷やしてくれた。 前半は3時間に渡る登りを、濡れた岩場にも親しみを覚えつつ登挙することができた。ところが、後半…

【読書】一瞬の風になれ 全3巻/佐藤多佳子

いわゆる陸上部の青春モノ。主人公は中学校までのサッカーキャリアに区切りをつけ、神奈川県の公立高校で、一旦は走ることを止めた幼なじみを誘い、短距離走にのめり込んで行く。温かい先輩、お茶目でたまに厳しい過去に拗ね傷もつ顧問、ギラつくライバル校…

【読書】月と六ペンスThe Moon and Sixpence/サマセット モームWilliam Somerset Maugham

狂ってる。そういう見方もあると思う。40代のある日、妻子と安定した収入をかなぐり捨て、絵を描くことにすべてを投げ出すことにした男の尊大な半生。でも主人公は幸せだっただろう、多くの読者が肯定的な感想を抱くに違いない。少なくとも私はそうだった。…

【読書】香水~ある人殺しの物語Das Parfum – Die Geschichte eines Mörders/パトリック ジュースキント (Patrick S¨uskind)

タイトルの殺人のイメージからは大きく裏切られた。しかし、それは私にとっていい意味での裏切りだった。本書は予めそうした狙いがあるように感じた。そして、まんまと作者の思いどおりに、導かれてしまったのだろう。 主人公は生まれつき私児として産み落と…

【登山】奥多摩駅〜川乗橋〜百尋の滝〜川乗山〜鳩ノ巣荘〜beer cafe vertre

◯時間 5時間40分(休憩40分含む) ◯距離 12.6キロ この夏一番と言っていい登山。 なんと言っても水がいい。登りはほとんどが、降りも過半が水際を通るコースで、クール。ひんやりした空気が流れ、夏の暑さを吹き飛ばしてくれる。 まるで青森の奥入瀬渓流の登…

【読書】金魚姫/荻原浩

哀愁漂う。荻原作品に通底する図太い骨格はこれだろう。 この作品は中でも哀れを誘う。 物語はブラック企業に勤める若者が、縁日で立ち寄った珍しい品種の金魚・琉金を救ったことに端を発する。 朝起きると水浸しの床、夜ごとひたひたする妙な足音。果たして…

【登山】河口湖〜ミツ峠登山口〜ミツ峠山 標高1.786m〜屏風岩〜ミツ峠グリーンランド

涼を求めて1ヶ月半ぶりに夏山へ。山でも真夏は猛暑で危険。そんな懸念はミツ峠登山口バス停に降りたった瞬間に払拭された。標高1,400m、涼しい。来てよかった。 舗装道を15分くらいで抜けると、ようやく登山道へ。脚元はゴツゴツしている。さっき看板にあっ…

【読書】わたしを離さないで Never Let Me Go/カズオ・イシグロ Kazuo Ishiguro

あとがきにもあるように、「抑制のきいた」仕上がりになっている。いい意味でも悪い意味でもそう思った。 しかし、作品の仕上がりを十分に咀嚼するに至る道は長くて険しい。映像化されていることから、耳を塞いでいても、あらすじや概要は聞こえてくる。それ…

【読書】じっと手を見る/窪美澄

介護士の男女を中心に織りなす連作短編集。一つの物語を多数の視点から構成する連作短編集。 窪美澄の作品が好きだ。現代の働き手、労働者の視点を率直に、押しつけがましく無く描かれている。それでいて、胸に迫るモノがある。介護は過酷な誰もが嫌がる現場…

【読書】アラスカ物語/新田次郎

日本人移民フランク安田が、没落した家を飛び出しエスキモーと交流を温め、定住し、金鉱を掘り当て、エスキモーの妻を娶り、遂には開拓者として村を導き、餓えから救う。 彼には帰国のチャンスがあったのだが、一度も本土の地を踏むことは叶わなかった。愛す…

【登山】高尾山口~高尾山6号道~城山~天下茶屋

先週月曜日に高尾山へ。本当は土日に行きたかったけれど、雨だったから仕方ない。 メインの1号道以外にも、高尾山にはたくさんの登山道がある。もったいない、けれどもメイン以外登ったことが無かったので行ってみた。 雨は避けたが、梅雨で水気を含んだ土が…

【読書】百年泥/石井遊佳

ひょんなことから、元夫から紹介されたやったこともない日本語教師を、これまた行ったことも無いインドで教鞭をとることになる。 この物語の主題は、大都市チェンナイに打撃を与えた大洪水で形成された「百年泥」から、夢とも現実ともつかない物証が湧いて出…

【登山】<ワタスゲを探して>東武日光〜赤沼〜戦場ヶ原〜湯滝〜湯元温泉 

北千住から特急けごんで、豪華な車両に浮かれつつ、一路日光へ。 よっしゃ、着いた!と東武日光駅改札を飛び出したらまさかの雨。予報は晴れだったのに。。。小降りだからしんしんと冬のような寒さに、バス停でダウンジャケットを羽織る。 1本目は満席( 一一…

【読書】栄光の岩壁(上・下)/新田次郎

両足先を凍傷で失った竹井岳彦が、日本一のクライマーに成長する過程を描いた苦闘の物語。 彼とともにザイルを組んだ友人や先達が運悪く立て続けに死に巻き込まれ、岳彦は生き残ってしまう。そのことから世間は彼は痛烈な批判にさらされ、彼自身も山への向き…

【読書】銀嶺の人(上・下)/新田次郎

時代を切り開いた女性クライマーの実話に基づく創作。 のっけからこういってはなんだが、「孤高の人」を読み終えた自分にとっては思いがけない話だった。「孤高の人」を読んだ限りにおいては、新田次郎は女性を描かないのでは、という先入観があったからだ。…

【登山】JR武蔵五日駅~笹平~市道山~臼杵山 標高842m~荷田子~瀬音の湯

〇お勧め度★★★★(静かな登山を目指す人向け) 〇難易度★★ 〇時間5時間半(休憩50分を含む) 〇距離8.5km ○行き交った人5人 遂に地図遊びを始める。地図遊びというのは、新田次郎著「孤高の人」で主人公加藤文太郎が、序盤地図を片手に神戸の山を歩き倒し、…

【読書】奔馬~豊饒の海②/三島由紀夫

三島の遺作となった連作の第2弾。 私はまだ、豊饒の海に関してあと2作を残しているが、なるほど、これを読めば、三島が、どうして死なねばならなかったのか、死してまで何を伝えようとしたのかが分かる一冊になっている。 自死が美しい行為であった時代、切…

【登山】東京 JR奥多摩駅~西東京バス 倉戸口~倉戸山~女の湯~深山橋~山梨 丹波山村 のめこい湯

〇おすすめ度★★★ 〇難易度★★ 〇距離6km 〇タイム4時間(休憩40分含む) 2週連続の奥多摩である。ちょっと気がふれてる感もある。足を痛めた。それゆえアートスポーツで頑固そうな爺さん店員にアドバイスされて買った初めてのハイカットブーツを試したかっ…

【読書】ストロベリーライフ/荻原浩

グラフィックデザイナーとして独立したものの、うまくいかなかったところ、仲たがいしていた父親が倒れ、それを機に実家のイチゴ農家を目指す苦闘のストーリー。 荻原さんの物語は、どの話も本当はすごく大変なんだろうな、とかこんなのなかなかできないよ、…

【登山】東京 JR青梅線 軍畑駅~高水三山~御岳駅~もえぎの湯~Beer Cafe VERTERE

〇おすすめ度★★★★ 〇難易度★ 〇距離8km 〇山行4時間20分(休憩30分含む) 軍畑駅を降りる。新緑が眩しい。この駅で降りたのは、昨年末だっただろうか。そのときは青梅丘陵を横断した。きょうは、分かれ道を左折して、通称「高水三山」と呼ばれるルートへ…

【読書】望郷の道(上・下)/北方謙三

九州を追われた俠者が、台湾に渡り、菓子屋として成功を収め、故郷に錦を飾るまでの物語。 時代は明治から昭和初期の日本の対外進出の時期と重なる。己に厳しく、緻密で周到な準備を巡らす主人公藤正太が、時代に翻弄されながらも、家族を支えに、力強く生き…

【読書】孤高の人(上・下)/新田次郎

登山の話である。それも超ド級の伝説の登山家の話である。上下巻で約1,000ページとボリュームもあるが、ずいずい引き込まれた。このゴールデンウィークを使って一気に読むことができ、大変満足している。 主人公は実在した人物加藤文太郎をモデルにしている…